serial experiments lainの90年代

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 lainの5話を観ていると、そういえば90年代にはこういうオカルティックな演出がテレビで流行ったな、と懐かしい気持ちになる。思えば、90年代の後半には新興宗教やらノストラダムスやら心霊現象のブームやらがあって世間はそれに沸いていた。

 lainの5話にはあの時の退廃的な雰囲気が濃縮されている。

 そして、00年に突入するとそういうブームがぱったりと消えて、社会が別のフェーズに相転移したのを肌身で感じた記憶がある。

 社会の技術は進歩した。あのときから日本社会は確実に没落していったんだけど、一方世の中のIT技術は素人にもわかるぐらい劇的に向上していって、例えばインターネットの速度は恐ろしく早くなっていって、パソコンの上でできることはどんどん多くなっていった。midiを聴いていたのが、いつのまにか音楽CDの音源を直接楽しめるようになった。個人発信のFlashコンテンツは、大手動画サイトが仲介する映像コンテンツに置き換わった。

 そんな中、いつのまにかモデムのピーガー音を聞かなくなった。

 いつから聞けなくなったんだろう。

 気の狂った岩倉美香をみていると、あの90年代の記憶が蘇ってくる。