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石動乃絵 in Thailand(2)

 バンコク二日目。

 丁子の匂いは居変わらず部屋に張り付いたままだった。取り敢えず荷物を詰め込んで、カウンターに行ってチェックアウトをしようとしたらやたらと時間がかかった(だいたい10分ぐらい。)このとき受付のにーちゃんがどこかに電話していたので、恐らく泊まっていた部屋の中を検められていたのではないかと思う。色々汚さなくてよかった。

 

 通りに出ると初めてのバンコクの朝を体験した。日本の朝と違って、とても皆ゆっくりしていた。太陽はすっかり日本の夏日の様相で、ちょっと歩くたびに汗が噴き出して水を補給したくなった。

 

 昨日の深夜に乗ったタクシーのオッサンに遠回りルートを連れまわされたのでその時に王宮や寺院の位置を確認することができて、今日はそこに行ってみようと思いカオサン通りから王宮を目指した。

・・・のだけれど道に迷ってしまい途中で見つけたよくわからない広場やら博物館に入って時間を潰した。博物館の中は信じられないぐらい仏像ばかりだった。

ここらへんで気が付き始めたのだが、バンコクの人々はゴリゴリのBuddhistである。大通りには至る所に仏教のモニュメントが立ち並び、寺院もそこら中にある。そしてモニュメントでは必ず一人は炎天下の中で熱心に拝んでいる。線香のにおいも至る所で嗅ぐことができた。こういう雰囲気は心地よかった。

 

 王宮の周りは旧市街と呼ばれるエリアらしくて、見るからにビンボーな人々が屋台で飯を食ったり昼寝したりしていた。客引きはとにかく多くて、だいたい5分に1回は誰かに話しかけられた(大半はタクシーかトゥクトゥクの運転手)。日本人は海外では大体チャイニーズに勘違いされるものらしいけど、僕の場合はたいてい日本語か英語で話しかけられた(チャイナ語で対応されたのは空港内だけ)。タイ人のようなアジア系には、例えば日本人とチャイニーズの外見上の些細な違いが見分けられるものなのかもしれない。

 

 結局王宮を見つけることができず、ヘロヘロになったのでタクシーで新市街(Chit Lom)へ向かうことにした。このタクシーも信じられない遠回りルートをチョイスしてきて、この国のタクシーに乗るのがすでに嫌になり始めた。

 

 新市街は旧市街と比べると恐ろしく発展していて、日本で例えるなら新今宮駅前と大阪駅前ぐらいの差があった。デパートの入り口には必ず検問があって、観光客と身なりのよさそうな現地人だけを選別して中へ人を入れているように見えた。

デパートは基本的に日本のと同じ清潔さが保たれていた。ただ奇妙なことに、たとえば飲食店のとなりに服屋や携帯電話のストア、電化製品店、ゲーマー用ネットカフェが立ち並んでいて、なんだかちぐはぐな、奇妙な感じだった。

あと旧市街のほうはとにかく白人が多かったけどこちらではアジア系の客が多かった。客の雰囲気とかも日本のそれで、なので日本にいるのとあんまり変わらない心地よさがあって、これはいかんな~と感じた。

デパートの中で中華料理店に入った。味はとにかく辛くて、生の唐辛子をそのまま材料として使っていた。あとタイ米が不味くてつらかった。飲み物が甘いのもいただけなかった。

 

 この地域のホテルは高いらしいのでRatchathewiまで移動した。

なんだけど結局昔ながらの高級感が漂うホテル(日本のホテルメトロポリタンみたいな感じ)にチェックインした。ここでのカウンターの応対はなかなか苦労した。ただ2日程度泊まりたいという要求をしているだけなのになんかいろいろ言われて結局ダブルベッドのある部屋に通された。取り敢えず冷蔵庫の中に入っていたビールを飲もうと思ったら栓抜きがなくて、次に浴槽を使おうと思ったら浴槽の詮がぶっ壊れていた。もしかしたら先のカウンターマンはこのことを伝えたかったのかもしれない。

 

 車がひっきりなしに走る大通りの屋台で晩飯を食った。排気ガスが充満している中で食事をするのはなかなか風情があると思ったからだ。屋台といっても大体70人ぐらいは収容できる大規模なところで、大勢の現地人が食事をしていただけあって良かった。さっきまずいと愚痴をこぼしたタイ米も、チャーハンにするとかなりおいしくなることがわかった。あとネムの木の葉やらレモングラスやらよくわからん木の根やらが入った魚のスープが、いい感じにエスニックしてて滅茶苦茶おいしかった。

 屋台では色々面白いことがあった。まず乞食が物乞いをしにやってくる。片足を膝から無くした老人、何かよくわからないオーディオを背負って歌を歌っている青年と老婆のペア、体のどこが悪いのかよくわからないオッサン。10分おきぐらいにやってきて、この国には社会保障がろくに無いのだろうか、と想像した。

 シンハ―・ビールを何本か飲んでベロベロでいい気持になっていたら、厨房から痩せた猫が出てきた。この猫は常に痙攣していて、首を上下にユラユラ動かしていた。明らかに神経系統に疾患がある様相で、これはかなり怖かった。暫く客の足元を行ったり来たりしていた猫は、さりげなく店員に担がれて厨房へと戻っていった。

 

 ホテルの部屋に戻った。クーラーを消して寝ようとおもったらそもそもクーラーのスイッチがなくて、部屋に入ると勝手に冷房がかかる仕様になっているらしい。おかげで南国にいるにもかかわらず寒い一夜を過ごすことになった。

 

 なんかあんまり現地の人の話をできなかったから次はそっちにもっとフォーカスしてこの記事のつづきを書こうと思います。